山本周五郎 わたしのおすすめ

『深川安楽亭』

最近疲れているのか、ふと手に取った山本周五郎の本を読んで、泣けてしまった。

この深川安楽亭は、短編集で、12の作品が収録されています。

先生の作品には、日頃気づかない、人の優しさや思いやりが、ある瞬間

ふっと目の前にたち現れる瞬間が描かれていることが多いですが、

この作品集もそのような「時」が随所で出てきます。

この本の中で私が一番好きなのは、「水の下の石」という短編です。

 

話は、幼馴染の2人が城攻めに参加するところから始まります。

一人は活発で幼い頃から頭角を現してきた少年、そしてももうひとりは

みんなから「あご」と呼ばれて、そののろまさを馬鹿にされてきた少年です。

城攻めは戦略的に火急を要し、5人の侍が重要な役割を担って城に

侵入するのですが、その中に「あご」と呼ばれた少年も含まれることになります。

決して見つかってはならないその任務の過程で、城の堀まで来たとき、

彼はたまたまもろい部分にいたおかげで、大きな音を立てて堀に

落ちてしまいます。

城を攻めていた部隊全員が何とか、敵に見つからないように、

遠くまで泳いで浮き上がってくれることを祈るのですが、

彼はそのまま消えたようにいなくなってしまうのです。

なぜ、彼は消えたように見えたのか?

その理由を知って皆愕然とするのですが。。。

 

何かの成功は、決して派手ではないけれども、それまでの過程を共有してくれて、

それを支え続ける、重要な役割をはたしている人物の覚悟の上に成り立っている

ことを強烈に印象付けられる作品でした。

ぜひ、読んでみてください。

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